2013年2月28日木曜日

回せ回せ 新陳代謝が良い水槽

水槽始めたのは、1年半くらい前。
ってことで、まーまだビギナーのうちですね。
最初は、うちの子にメダカの世代交代見せてやろう…みたいな感じで始めたんだけど…いつの間にか水槽が増えて…気がつくとチャーム見てたり、アクアショップ見てたり…っていうお決まりのパターン。

水槽の管理のやり方って、いろいろありますよね。
様々な水槽環境の違い、管理者の力量なんかで、答えは無限パターンあるはず。複雑系だものね。
で、実際、ある水槽は、いい加減にやっているのに、緑藻がちょっと出るくらいで一切やっかいなコケが出ない。安定し切っている。
もう一方の水槽は、同じようにやっているハズなのに、ありとあらゆるコケに見舞われる…なんてことが起きたりもする。

これって、まさに昨年経験したことなんだけど、メインの方の水槽は、珪藻に始まって、柔らかい緑藻、ツンツン生える見た目サイアクの緑藻、硬くてへばりつく緑藻、白い綿ゴケ、所謂黒ヒゲとは違うのだけど同じ紅藻系の…天草みたいな感じのコケ、アオミドロ、藍藻… もうなんでもござれって、コケのデパートって感じでひとつクリアするとまた次って感じでやられまくった。

最初のころは、まー問題が起きる度にいろいろネット見たりして、
栄養過多がコケを招く → なら、貧栄養環境にすれば良い
なんて思って実践してたわけだけど、
これは、ビギナーには向かないアドバイスだと思うよ。手練れがやれること。貧栄養だろうがなんだろうが、ビミョーなバランスの問題でコケは出てくる。そもそもいくら控えめにしてても給餌している以上、週1くらいで水替えしてても本当にコケが出ないくらいに貧栄養に抑えるのは無理。それにそもそもそれじゃ水草がダメになるし。
…いや、まったく無理ではないのだけど、「貧栄養」を目先のゴールにするアプローチじゃ無理。

途中で考え方変えたんだよね。水草の濾過への貢献の大きさに気づいてから。環境次第じゃフィルターよりずっと大きいくらいだと思うよ。

だから、むしろ徹底的に水草育てよう。ロタラとかの成長速度が圧倒的に速いのを中心に据えて、とにかく水草がガンガン育つことを最優先しようって。
照明も、CO2も、肥料も、水の巡りも…ガンガン入れてガンガン巡らせてガンガン消費させる。
高成長・高消費社会。成長はたいていの問題を覆い隠してくれるってね。バランス社会なんて難しくて、スグにデフレスパイラルに陥るってね。
… すみません。言ってみたかっただけです。関係ないですね。

もちろん、肥料ドバドバ入れたりしてたら、サイアクな結果になるのは目に見えているわけだけど、それはいちおうあくまでも1週間・2週間単位で、水草の成長力をしっかり見定めながら、
少しは走りはじめたな…なら、背中を推そうって感じで投入するってことね。
↑ココ重要。繰り返します。しっかり様子を観察しながら。

そういう方針に変えてから、ほとんど全ての問題は解決。
コケはちょっとしか出ない。少なくとも手に負えないってことはない。
水草は元気に気泡を上げて美しくて、魚もエビも落ちない。

もちろん、そんな水槽が…2週に1回はかなりのトリミングしなきゃならないような水槽(つまり、これが大量の栄養排出ですね)が理想なのかって言われれば、う~ん、どうなんだろう?なのだけど、ひとまずビギナーでもちゃんと維持できる水槽、失敗しにくいやり方ってのの、ひとつの答えに行き着いたとは思っているわけ。

だいたい水草水槽は外部フィルター使う…CO2添加考えたら使わざるを得ないわけだけど、この1点を除けば、外部フィルター(所謂 パワーフィルター、エーハイムとかの)は、そんなに他のフィルターと比べて優れているとは言えないでしょ?
特に硝化バクテリアへの酸素供給って点で。
むしろ明らかに劣っている。外部フィルターサイコー!なんてウソだよ。例えば、見ようによってはエアレ式のスポンジフィルターとかの方がよっぽど優れている。見た目はともかく。
でも、水草がガンガン気泡を上げて、酸素飽和状態になっているようなら話は別で、とても効果的に外部フィルターが機能するハズなんだよね。
夜間のエアレーション?そんなのよほど魚とかの動物密度が高いとか、夏場にクーラー入れてないとかならともかく、ライト点灯時に酸素飽和状態まで持って行けてれば必要ないはずだよ。急激なpH変化も起こすハズだし。
そういう環境にしていないのに、濾材容量ばっかり増やすのとか、しかもサブフィルターで長い経路をつくっちゃうのとかナンセンスだよ。

それから、底床環境の維持って点でも、水草は根に水や酸素を送っている。根張りが良くて成長力のある水草なら、底床内の環境維持に役立つ。キューバとかどうしても根張りが少ないのはともかく多くの水草は最初からガンガン育ててやれば底床内いっぱいに根を張ってくれる。
根張りが良ければ、底床内の微生物も良く育ち、デトリタスの分解にも貢献してくれる。

だいたい大抵の環境では、余裕で目に見えるサイズの生物よりも、目に見えない・スグに存在に気が付かない生物の量のほうが実は大きいことの方が多いわけで、コケも本来、そっち側の奴らなのだけど目立っちゃうのだよね。だから、やたらと気になる。そこばかり見ちゃう。
で、コケ以外の微生物量をとにかく増やしちゃえば、多様性が広がればその分だけ、コケに残されたニッチはそれだけ狭まる…のじゃないかな??
だから、微生物に溢れた豊穣な底床環境は大事だろうと。
だから、やたらと過剰に底床掃除もしない。底床掃除するよりデトリタス分解に貢献してくれているであろうヤツらを増やすイメージで行く。
…そもそもソイル使ってる時点で、底床掃除のし過ぎは水景の寿命を縮めるだけなわけだけど。

水草の成長が良いってのは、副次的な効果として、
「躊躇なくトリミングできるようになる」
ってのも大きい。
人にもよるだろうけど、最初のうちはどうしても水草を切ることに躊躇するけど、それが成長させることに自信が持てるようになると、例えば、ほんのちょっとでも黒ヒゲとかのやっかいなコケを見つけたら躊躇なくカットできるようになる。
ロタラとかを控えめでない適切な高さでカットして、丁度いいところから枝分かれを促せるようになる。
…もちろんトリミングのし過ぎは、水の浄化力をいっきに奪うことにつながるから限度はあるけど。

ってことで、
ガンガン回す。
ってのが、ビギナーなりに、
ビミョーなさじ加減が出来ない・詳細なノウハウを持たない
ビギナーに向いた一つのやり方として行き着いた結論。

本当に最初のころってさ、「CO2?そんなの本当にいるの?魚が居るじゃん!CO2添加なんかしなくても育つ水草入れておこう」なんて考えるじゃん。よく分からないから、そろそろとおずおずとミニマムアプローチしておこうって。
もちろん、私もそうだったんだけど、結果的にこれが遠回りになるのだよね。
もちろん、問題を乗り越えていければ、それはそれでかけがえのない経験・知見を得ることにつながるわけだけどさ。

収束が見えないコケ地獄のさ中にいる時はともかく、いったん過ぎて見れば、数々の問題発生も、生き物を相手に・小さな環境を・複雑系を相手にしているのだなって、面白かったな~っていう記憶に変換されるのだけどね。


なんてことを散々書いておきながら、
実は、もうひとつの水槽は、かなり低回転・貧栄養なんだよね。
水草の密度も低いし。
それでいい加減にやっていても上手く行ってしまう。
まー答えは一つじゃないということで。
そっち…ロータス水槽のことは、また別の機会に。
でも、正直、ロータス水槽の方は、なぜ上手く行ってしまうのかということについては、まるで分からない。
途中で、フィルターを替えたり水槽・ソイルを替えたり、いろいろやっているのだけど、こっちの流れだけはどうにも酷いことにはなったことがない。…ソイルが限界きて最近リセットしていることを除けばだけど。
結果的に上手く行っちゃうだけ。
なぜこの違いが出るのかがキチンと分かれば、きっともう一段レベルアップできるのだろうな~。


--
--
>だいたい大抵の環境では、余裕で目に見えるサイズの生物よりも、目に見えない・スグに存在に気が付かない生物の量のほうが実は大きいことの方が多いわけで
ここについての追記。
これはバクテリアサイズのからミジンコみたいなよく見れば肉眼でちゃんと見えるのまで、すっごく多様なわけだけど、
やっぱり一番気になるのは、菌根菌の類。
「陸上植物」...いったん陸に上がった植物ってことで、殆どの水草も陸上植物なわけだけど、
これは、菌類...これは、キノコ、カビ、酵母なんかの類。バクテリアじゃなくて...と、
とても深く結びついていて・共生関係・共進化関係にあって、
それも高等植物になるほど共生関係は深くなり、
菌根菌が居ない・少ないと、育ちがとても悪くなったり、
さらには最も進化しか植物とか言われることもあるランとかは、
そもそも菌根菌無しで生きられないのとかになっていくわけですよ。
で、水草だって同じ構造を持ってないわけ無いのであって
��少なくともウキクサとかの菌根についての話なら幾つか読んだことがあるし)
農業や園芸方面で、最近になって菌根菌に目覚めたように、
水草用の菌根菌とかが...いま、硝化バクテリアが売られているように、
売られるようになるのもそんなに遠い話じゃないのではないか?とか思ってます。
ちなみにこれは園芸方面の話だけど、
やっぱり土中の腐植質が少ないと菌根菌の定着も悪いんですよね。
そういう意味でもやっぱりソイルなのだよな。
できれば、(もとのソイルの性質にもよるけど。腐植質が最初からとても豊富なソイルは別だけど)
腐植質追加しちゃうくらいで良いのだよ。
なんて思ってます。

0 件のコメント:

コメントを投稿