2016年4月20日水曜日

ごはんつぶ

たまに 食事中に自分が食べているものを水槽に入れてみちゃうとかってことはしませんか?
マジメな人はやらないだろうし、魚や特にエビには害があるもの...例えば農薬やその他各種の薬剤が残留しているものとか...もあるわけだし、そうじゃなくても水槽内に投入していくものの管理がでたらめになっていきますよね。
でもまー私はやっちゃいます。
いろいろと入れてみて、魚やエビの反応を見てみたい衝動が押さえられないので。
ものによっては水槽内で奪い合いが始まって、それを見るのも楽しいし。

果物、ごはん、納豆、肉・魚... だいたい糖分・炭水化物の割合が高いものやタンパク質には激しく反応しますよね。
魚が果物に反応するのは、子供の頃に大人がスイカで黒鯛を釣っているのを見て、魚ってフルーツ食べたりするんだ!とか意外に感じてたことを思い出します。
いちおう念の為に果物とかは果皮やそれに近いところは入れませんし、そもそも海外から船で送られてくるようなものは絶対に入れません。もともと人には大丈夫でも多くの生き物には毒になるネギ類とか香辛料がついたものとか... 入れることを避けなきゃいけないものは多いですよね。

ところで、ご飯粒や果物などを入れてみる時には、
こんなことをボケっと考えています。...

炭水化物...文字通り、炭素、水素、酸素の化合物ですよね。
つまり、炭素を水槽に入れることになる。

少しは農業関係のことを調べたことがある人は、C/N比…炭素と窒素の割合が重要であること…例えば、腐葉土でも発酵が充分ではなくて炭素分が多いと、植物に肥料として窒素を供給するどころか、むしろ窒素飢餓を引き起こすなんてことを聞いたことがあるのではないかと思います。

何故かと言うと、炭素分(エネルギー源)が多いとそれだけ微生物が活発に活動して、その増殖に伴って今度は体をつくるのに窒素(アミノ酸・タンパク質をつくるのに必要)も使うからですね。

砂糖水槽とか枯葉水槽…水槽に炭素分を入れると、硝酸塩が減るというのもこのリクツです。菌類(フンギ)やバクテリア、その他微生物が増えてその体を作るのに窒素を使ってしまうわけです。

そういうわけなので、農業関係では腐葉土などはよく熟成させて炭素分を消費させちゃって窒素の比率を上げてから使ったほうが良い。炭素は邪魔って考え方があったのだけど、最近は園芸肥料などでも あえて糖質などの炭素分を添加していたりしているものもあります。
必須元素ばかりやっていると土中の炭素分が減って微生物の活動が減っちゃうから…この活動を促すためですね。
炭素循環農法なんてのもありますね...あれはまーちょっと...コアにある直感は素晴らしくても教義化し広がっていく過程での単純化で、かなりおかしなことになってますけど。
極端から極端へ...複雑系相手に ただ◯◯すれば良い!ってのはろくなことにならないですね。

水槽用でも、インフゾリアの素なんていう商品が売られていたりしますよね。あれっておそらく主にインフゾリアの活動を促すために炭水化物が主成分として入っている…ってのはほぼ間違いないと思います。たぶん… って想像で特定商品について書くのは怖いのでやめておきますけど。

アクアフローラは、キャンディーコート…つまりは糖類…炭素分で覆われていますよね。これも意図してか否かは別にして、底床内の微生物の活動を活発化させることに繋がっていると思います。

水槽内では、水草の光合成によってCO2が取り込まれ草体が成長し、枯葉などの形で炭素分が蓄積していくはずなんですけど、実際にはトリミングなどで、どんどん排出されていってしまいます。
特に底床内は、微生物が一通りソイルの炭素分を使ってしまうと、上から枯れ葉が分解されたものなどが降り注いで入り込んでいくとか、トリミングで残した根などが腐り始めるなどといったことがなければ、炭素分はどんどん失われていきます。

炭素分が減ると底床内の微生物の活動が押さえられ、ソイルの団粒構造を維持できなくなる。そうしてソイルが崩壊していくと、嫌気化が進んじゃうわけです。
団粒構造は主に微生物が出すバイオフィルムと微生物が動きまわることで再構成されるので。
団粒構造に限らず植物の根の周辺の微生物の活動と根の健康には密接な関係があります。(もっとも病原性のもの・歓迎できない者たちの活動も炭素分があるだけ活発化する可能性ってのはあるわけですけど。)

さも 当然という感じで書いたけど、本当に水槽内でソイルの団粒構造の再生なんてことがあるのか?ってことは分からないです。
そうであるだろうってだけ。地上なら間違いなくそう言えるんですけどね。
水槽内でもミミズでも入れれば、あり得そうとか思いますけど。以前に実際に水槽にミミズを入れている人の映像を見たことがあるけど...あれはやりたくないですね。

それに自然界の水中で団粒化している土なんてのは、干潟とかくらいでしか見たことがないし...大抵は泥ですよね。干潟は生物活動が極めて活発だから。淡水域でも同じようなことってあるのだろうか??

...そんなようなことを考えて...食べ残しはバクテリアや底床微生物のエサになるよな...とかボケっと考えているわけです。

もちろん、糖質を大量に入れすぎれば、各種バクテリアや酵母菌などの菌類がいっきに増えて、水槽は白濁しますし、水中の酸素は奪われるし... まーいろいろとヤバイです。
リクツとしては赤潮で魚が酸欠で死ぬのと同じようなことが起きます。
死ななくても、環境悪化で日和見感染なども起こしやすくなり病気になるかもしれません。なんにせよ、水槽内の細菌叢自体が変化してしまいます。
なので、入れるって言ったって、1回に入れるのはせいぜいごはん粒 数粒程度なんですけどね。

最後に、なんとなくこういうことを書きましたが、
人間の食べ物を水槽に入れることを誰かに推奨はしません。
しつこいですが人間には大丈夫でも、遥かに体が小さい・解毒システムが異なる魚やエビに人の食べ物を与えるのはとても危険です。
なにかあっても、当たり前ですがとても責任は取れません。
念のため。

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追記

そういえば最近、
腸内フローラ(細菌叢)は、単純に日和見菌・悪玉菌・善玉菌のように分けられ・善玉菌を増やせば良いのだ!ってのではなくて、個々人で適切な...健康に役立つ細菌の種類やバランスが異なっている。ある人には役立つ乳酸菌の一種が他の人には役立たない可能性とか。
って研究成果のリリースがありましたね。

これ読んで、きっと水槽もそうなんだろうな。適切なバランスは水槽によって異なるのだろうな。単純に◯◯を増やして、△△を減らせば良い...なんてことは無いのだろうな...
とか思いました。

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