2013年8月8日木曜日

菌根菌定着済み水草モジュール をつくってみたい

いずれいつか水槽リセット時にやってみたいこととして、「菌根菌定着済み水草モジュール」を作って、これを使って水槽を立ち上げるってのがあります。
もちろん上手くいくかどうかは、やってみないと分からないことなんですけど。

成長力が高い水草ばかりを使って、どんどん景色が変わっていく・少しはいじり甲斐があるってのが好きなわけですが、このパターンの水槽で最大の問題は、やっぱり肥料分じゃないでしょうか?

うちの60水槽なんて、ソイル自体の肥料分は、3ヶ月でほぼ切れちゃってます。
ならば、立ち上げ時にもっとリッチな肥料分たっぷりの底床環境を用意すれば良いかというと、それはそれでコケ地獄を招く可能性が高いわけですよね。

そこで以前からたまに書いているように、菌根菌をつかってこの状況をもう少しなんとか出来ないか?って考えてるわけです。

菌根菌については、詳しくはウィキペディアとか適当に調べて欲しいのですけど、最短で説明すれば、「陸上植物と共生している菌類」ですね。マツタケなど多くのキノコも菌根菌です。
自然の状態で成長している陸上植物は、ほぼ例外なく菌根菌と共生しています。

菌根菌が何をしているのかと言えば、植物の根に取り付いて、光合成産物をもらう代わりに、植物の根が効率的に捉えることができないリンなどの肥料分を広範囲から集めて根に渡しているわけです。
つまり、こいつが居れば、底床内の肥料分をより効率的に使える。
より効率的に使えるということは、もとの肥料分が少なくて済むわけですね。
��もう少し細かく言えば、カルシウムなどと結合してしまった難分解・難溶性リンを有機酸生成菌などが可溶化し、それを菌根菌が集めるわけですが)

この菌根菌を水槽内で使えないか?ってことなんですが、今、市販されている菌根菌剤は、どうやら水槽内に直接ぶちこんでもダメみたいです。

でも、一度共生関係が確立したものを、水に沈めても、共生関係は維持されて持続的に発展していくらしいんですよ。
いやこれも水槽で確認したことではないのですけど、少なくとも水田などでは水を入れる前に共生させたアーバスキュラー菌根菌が水を入れた後も維持され機能するって事例は確認しているってだけのことなのですけどね。それと、水草の多くが自然環境の中では菌根菌と共生しているのも事実だし。

ならば、水上葉育成の状態で、菌根菌を感染・共生関係をつくり、それを水中化すれば良いのじゃないか?

ってことで、いちばん簡単なのは、まずは水を張らない水槽の中で、水上葉育成の形で水景の土台を作って、この時に充分に菌根菌を感染させておく。その後に水を張って魚も入れる…ってやれば良いわけですね。

でも、これは幾つも水槽を置く気になれない私としては選べない選択肢。その間、魚やエビはどこに避難させておくの?ってことになっちゃうし。

ならば、佗び草のような水草モジュールとして、菌根菌を感染させたものをつくっておいて、それを沈めれば良いってことになりますよね。

結局のところこれらはみんな「だろう」であって、やってみないと分からないわけですね。意味があるのかどうかは。

水上葉 肥料切れ

それで、まずは水上葉育成なんですが、当初、菌根菌の実験もするつもりだったのだけど、はじめてしまえば、さっさと緑の絨毯にしてみたいってのが勝ってしまって、さっさと肥料突っ込んじゃったのだけど、
最近、また明らかに肥料切れしてきたし、緑の絨毯の目標は達成できているので、菌根菌接種を本格的にやってみるつもりです。
ちなみに使ってみてるのはBICOM VAですね。

結果は2−3週間後ですかね。
菌根菌の定着具合の確認は。
本当は、発根時に添加するのがもっとも良い結果を出せるから、水上葉リセットしてやり直してみたほうが良いのだろうけど…。
ひとまずやってみようと。
その後、水槽内にそれを移植してみて、どこまで行けるのかを確認しないといけないし…先はながいね。
それにもし冬場にリセットだと、うちの環境だと、水上葉用意できないから、タイミングも重要だし。
だいたい最終的に効果を確かめて見るためにはかなり貧栄養のソイル使うことになるけど、耐えられるかな...確実に育たないかもしれないっていう状況に。耐えられないだろうな〜。
少なくともメイン水槽じゃ出来ないですね。
やるとしたら、40のリセット時。来年の春以降かな〜。水槽の状況によるけど。
途中で考え変わっちゃうかも。

ってことで、誰か先にチャレンジしてみませんか?

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ちなみに菌根菌ですが、「自然」の環境で植物があれば、殆どどこにでも居るわけですが、農業や園芸の場には殆どいないらしいです。
なぜかと言えば、肥料を使うから。特に化学肥料を。
化学肥料、特にリンをたっぷり撒いちゃうと、菌根菌は共生しないんですね。
で、菌根菌が共生しないと、根から数ミリ離れたところにある肥料分は摂取できなくなる、土壌の保水力も・植物が水分を得る能力も著しく落ちる。
そうなると、肥料をかなり積極的にやり続けないといけない。水を撒かないといけない…っていう、負のスパイラルに陥っちゃうわけです。

世界中で農業が消費している水資源は膨大で、例えば1キロの穀物生産に1トン以上の水が必要とか言われているわけですが(つまり、食料輸入大国の日本は、間接的に膨大な水資源輸入をしているってことになるわけですね)、このあたりの状況を改善していく上で、やっと僅かに農業利用が始まったばかりとも言える菌根菌に期待できるところは、小さくはないはずなんです。

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