2013年3月3日日曜日

水流

いちばん最初にメダカを飼った時に、
「メダカって止水域の魚だよな。流れが強すぎるのはキツイはず。」
「でも、循環水量を落としすぎるのは怖いから、できるだけ流速を落とそう。」
なんて考えて、いろいろと…例えば、拡散吐出口を付けて、さらにその前に水草を置いて減速するとか…ってやってました。
もちろん、水流は「水槽っていう体を走る血流だ」とは、リクツで考えてはいたけど、それほど深刻には考えてなくて、いちおう水が回れば良いよね。…なんて思ってたわけです。
今思い起こせば、これが最初のころの失敗続きの大きな原因の一つ。
水流の重要性をリアルに・実感伴って理解してなかったんですね。
実際の田んぼや湖沼などを想像してみれば、けっして止水なんかじゃなくて、風でけっこう水は全体的に動いているんですよね。昼夜での温度差による上下循環もあるし。本当の止水なんてほとんど無いわけで。

強い水流が苦手なアオミドロとかもあるけど、大抵のコケは照明だけじゃなくて水流がよく当たるところにも出ますよね。
コケほどじゃないにしろ、水草の育ちも水流が少しは強めにあるのと、極めて弱い状態だとハッキリと差が出ます。
CO2や栄養の供給に差が出るんでしょうね。

前回書いたみたいに、前景の水草も水の当たり具合でかなり成長に差がでます。水流が底面を這って進んでいる時に、ちょっとした段差があると、水が当たりにくいところが出ちゃうわけですが、そこは明らかに育ちが悪くなりますから。特にキューバとかグロッソとかは。だからバランスよく育てようと思ったら、このあたりも意識したトリミングが必要になる。

中後景も密植させるのが大好きだけど、根本はできるだけ水通しを良くしておきたい。適切なトリミングで意識的に枝分かれさせて、上はモサモサ、下はスカスカにするのが理想。

それから、稚エビとかトリミングした葉っぱとかを吸い込まないように、給水口にスポンジを付けているのだけど、ここに張り付いた水草が意外に育ってたりするのってよくあること。
つい最近も給水口のスポンジに張り付いたウォーターローンの欠片が、ビックリするくらい成長しているのを発見。
ウォーターローンも本来湿地帯の水草だけど、やっぱり水流が大事みたい。

今の水槽…60の方で若干心配なのは、左側のロタラの山と前景の境目のところ。ここの水流が悪いのだよね。だから、ここに植えてあるブリクサとかの育ちがすごく悪い。…写真見てもどこに入ってるのかわからないくらいですよね?
水流が悪いだけじゃなくてさらに上からロタラが雪崩れてきてスグに被さって照明もあたりにくいし。…光の問題の方がより深刻だとは思うけど。
ブリクサは一度育って根張りが良くなれば、このあたりも安心なんだけど。…最初のデザインを完全に失敗しました。
いちばん左側に入ってるのは、光はともかく、まだ水流は確保されているので生き残ると思うけど、他のは消えちゃうかもな。周囲のオークロやニューパールグラスなんかに完全に負けちゃうと思う。
ちなみに全体の右側にあるのは…これも写真見てもほとんど分からないと思うけど、照明がろくに当たってないのに水の流れが良いのでスゴク元気です。
軽く引っ張ってみても根張りがすごく良さそうだし。
もちろん、左側のロタラ山の麓に入れているのは「追加」で入れれて、右側は元の水槽から持ってきたのだから、水質への慣れの差もあるとは思いますけど。

強く細い流れを使って全体の水循環をデザインするのか?
いっぺんに全体に拡散させていくのか?
いろいろな水槽デザインがあるはずですけど、強いストリームの循環を海流図、気流図の様にイメージして配置し、セット初期の濁りがあるときにでも実際の流れ方を確認・調整しておくのが、基本になるのじゃないかと思ってます。

もちろん、魚の特性を意識しつつですね。
グッピーとかを強い流れに晒させたらスグに疲れて弱っちゃうだろうから、やっぱり流速をしっかり落としつつ全体に水を回す工夫が避けられないだろうし。

普段の水槽の掃除の時は、地形や水草の茂り方で、強い水流が急速に弱くなるところは、要注意ですね。
ゴミが・残滓も溜まりやすいから。
どうもそういうところから...水流が弱くなって汚れも溜まりやすいところからアオミドロとか出やすい気もしてるんですよ。

なんにせよ水草の成長は、いろーんなことのバランスですよね。
光、CO2、水質、底床…、これらと同列くらいに水流も大事だと思ったほうが良いと思ってます。

でもって、このバランスですけど、各要素共に、絶対的な不足を起こしていない限り、
ある程度であれば相互に補完できます。
これ私自身の経験上でも、ネット上でいろいろな成長過程を見させてもらってても、植物の生理についての知見調べてても、ハッキリ言えることです。

例えば、理想的な育ち方を考えた時に、光量がかなり足りないとして、
この状況を肥料やCO2をリッチにすることで、ある程度ならば補えるといくことです。
そういうことを考えていく上でも、水流を意識することが重要になります。
水に溶かしたCO2や肥料が優先的に行っていない...水が動いていないのでは、どうしもうもないですから。

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