2013年3月9日土曜日

ゼロスタートする人がいるなら、なんてアドバイスしようか?

もし周囲でアクアリウムに関心持ってくれる人がいるならなんとか失敗させずに引き込みたいじゃないですか。
それも出来れば水草重視方面に。
情報交換、トリミングで捨てちゃう水草の交換、要らなくなった機材の交換なんかを薄っすら期待して。

それで、もしそういう人が居たら、あるいはビギナー以前の「どう始めようかな?」って関心を持ち始めた状態の以前の私に、今の私がアドバイスするとしたら、
「絶対に失敗させないよ」って言うとしたら、どんんなアドバイスをするだろうか?って時々考えるんですよ。

水槽は、
出来るだけ水量30L以上出来れば60L以上で、縦長のは避けろ(水面の面積が大きいのを選べ)。
つまりは、フツーの形をした45cm以上ってことですか。

専用の水槽台は絶対に必要。
…うちは最初イケアのキャビネット使ってたのだけど、半年くらいしてから重みで徐々に歪んできちゃった。
配管とか、将来クーラー入れた時の吸排気も意識して。

照明はひとまず頑張ってけっこう強力にしろ。
CO2は、絶対必要。
直添で入れろ。添加効率が3倍くらい違うからボンベの持ちがまるで変わる。
それ以上に水槽内のCO2分布のムラが減る。これ大事!
低流量スピコンは無いと、まともに添加量コントロール出来ないから買え。
照明について、照明とCO2の関係については、書き留めておきたいと思っていることが割とあるのだけど...水草、各種のコケが利用する波長、直射光が中心になるか散乱光が多く含まれるかによる違い、這いやすさをつくる光、赤くする光、水草の量・1日の光の投入総量に対するCO2投入量... ...リクツの整理や経験的な裏付けが十分にできているわけじゃないってのと、機材の選択肢自体は自ずとある程度絞られて、あとは調整だし、ってことでひとまずはこれだけ。いずれそのうちにまとめてみたい。

フィルターは、CO2入れるのだから、外部フィルターしかない。
世間のアドバイス聞いて、あまり濾材量とか気にし過ぎる必要は無いよ。あまりオーバースペック過ぎると、流速の管理が難しくて、水槽の中が洗濯機状態になるし。
但し、後から、必要に応じてピートモス入れたり出来るくらいの濾過槽の余裕は必要。
具体的に選ぶのに気にするのは、
静音性、信頼性、サードパーティ商品も含めたサプライの充実、メンテナンス性とか。
最低限、後でクーラー付けられるくらいのモーターのスペック。
メーカー各社が「水草水槽ならこの機種」って参考で出しているのの、ひとつ上くらいにしておけば問題ない。

底床は栄養豊富なソイル。
でも、窒素分が多いのは、経験豊富じゃないと後でコントロール不能になるかもしれないから、やっぱり水草一番サンドかな。

肥料は特に無し。っていうか最初は入れちゃダメ。ソイルだけで十分。

水草は、ハイグロフィラ・ポリスペルマか、グリーンロタラあたりの成長が良い水草を買えるだけ買って、植えられるだけ植える。もちろん後景中心に。
例えば、60cmでグリーンロタラなら最低60本くらいは入れたいね。
30本買って、半分に切って、60本にしてもいいし。
余裕があるなら、さらに倍は入れたい。
前景は、いちばんしくじりにくいグロッソかな。

最初の1週間だけは、魚を入れるのをガマンして。
フィルター回しながら、
でもって、大変だけど、出来る限りでいいから、頻繁に水替えして。
1日目、1/2。以降毎日1/3とか。
ソイルから初期にドバドバ溶出してくる過剰な養分を排出しておかないと後が大変だから。
大変なら、ほんと出来る範囲でいいから。

1週間たったら、魚を入れる。
例えば、60cmだったら…カラシンとかにするなら、ものすごく丈夫なプリステラとかグローライトとかを数匹とか。
別にネオンとかでも数匹なら大丈夫だけど。
まーとにかく継続的に飼うつもりのあるやつを数匹入れる。

種水がもらえるなら、例えば、知り合いが交換して捨てちゃうウールマットの絞り汁とかは、このタイミングか、このタイミングの直前の水換えの後で入れる。
茶色くなったマットを水槽の中で何度も絞るとか。
もちろん、最初のセット時にもらっても良いけど、どうせ頻繁に水替えするから安定して増えないし、いちばん最初は水草が出す酸素も少ないし。
最初に水換えをバンバンやる気がどうしても無い、そんな時間がないなら、もちろん一番最初のセット時に入れる。

種水もらってくるなら、途中、酸欠起こさないように気をつけないと、バクテリアが死滅したただの汚水をもらうことになっちゃうから要注意。
大きなビニール袋にたっぷり空気を入れて持ってくるとか。移動中も時々揺するとか。

その後は、NO2測定をたまにやって、NO2が上がって、その後完全に測定できなくなったら、ちょっとずつ魚を増やしたり、水草を増やしたり…

珪藻が...茶ゴケが増えてきたら、60cmで買ってきたヤマトヌマエビを10匹かミナミヌマエビを30匹くらい入れる。様子を見てさらにもう1回同じくらい入れる。
...買ってきたばっかりの時は飢えてるから、コケ取り能力はピーク。あっという間に綺麗にしてくれるけど、その後にコケ取り能力は落ちる。だから、出来れば...面倒じゃなきゃ分けて入れたほうがいい。
それと、珪藻が出始めたばっかりのタイミングで入れると、少しは落ちるやつも出てくるし。

たっぷりの種水もらって入れてたら3週間、そうじゃなければ1ヵ月半くらいで、ひとまず安全な水槽になる。

って感じですかね?あくまでも「今の私ならこうする」ですけど。それは違うんじゃないかっていう意見の人もいっぱいいるだろうな〜。

もちろん、実際にアドバイスする時は、もっともっとずっと個別具体的に機材とか選択肢を示さないとダメなんでしょうけどね。

最大の問題は、「これからはじめてみよう」っていう人に、こういうアドバイスが効くのか?受け入れられるのか?ってことですよね。

もし、1年半前の私なら、きっと拒絶しましたね。
だって、そんなにマジでやる気なんてなかったんだもの。
ちょっと覗いてみようってだけで。
だんだんと実際にやりながらハマっていくわけですよね。

でも、そういうステップを踏むとどうなるかっていうと、
・いろいろ失敗して苦しむ。
・気がつくととんでもなく金使ってる。
…いや、世間に数多ある趣味の中で、水草水槽なんて、かかる金はたかがしれているのだけど(もちろん掛ければ、果てしなく掛けられるわけだけど)、
ちゃんと計算してみると、
「たったこれだけ」のもののために、
「これだけつぎ込んだのか!」っていう
そのギャップがスゴイんですよ。
これがショックなわけで。

例えば、私の場合、昨年、ちょっと計算してみたんですよ。
チャームで、ホームセンターで、アクアショップで、百均とかで…
あれやこれや悩んでつまらないものをいっぱい買ってるわけですが、
そんなのを集めると、チリも積もれば山となるで、
具体的に書くのは空恐ろしいので、あまりにバカを晒すので書きませんが、うん十万ですね。
きっと今の知識で一からやったら、1/4くらいの予算で、もっと遥かに良い物つくりますね。

あとやっぱり金以上に、掛けた時間...手間と結果のギャップの方が大きいか。
忙しい時と重なったりしたら、放り出したくなりますよね。

もちろん、数々の失敗も・一見無駄な投資も時間も、それは全部お勉強で、知見の幅をつけるのに役立っているわけで、やっぱりそれは全部ひっくるめて楽しいのだけど、
大抵の人は、イヤになっちゃいますよね。

このあたりのアドバイスの現実味ってのは、
相手が「本質的にどこまでハマりそうか」次第なんでしょうね。

思いっきりハマりそうで、いろんな困難がむしろさらにハマる原動力にさえなるタイプなら、伝えるべきは伝えつつも、実際に何をするかは ある程度 放置しておいて、求められた時にアドバイスすれば良いし、
そうじゃないなら、相手が求めている範囲の中で、出来るだけ失敗させないっていう手取り足取りのアドバイスになるんでしょうね。

アドバイスしていく上で、最大の邪魔者は、ネット上に断片的に転がっている知識だろうな〜。特にQ&Aサイトとかの。

まず第一に、今からあらためて眺めてみると、「なんだそりゃ!デタラメもいい加減しろよ。どっかで仕入れた断片的な知識をテキトーに組み合わせて、相手の環境も考えずに披露するなよ!」ってのもけっこう見かけるし、
そうじゃなくて しっかりした力量がある人が書いているなってのでも、「それはあくまでも膨大な条件付きですよね」っていう回答(にならざると得ない。しょーがない。)なわけです。

それと、ネット上で知見が更新されにくい構造があるじゃないですか。
一度、プレゼンスつくっちゃうと、ずっとGoogle様が上位表示し続ける構造。
で、
「そりゃー当時の状況考えればすごく正しいけど、
今、情報評価力が無くて
単純にそれがアリかナシかの結論だけしか受け取れない初心者が見たら、
決定的に間違えちゃうよな」
っていうアドバイスが大量に残っているのだよね。

アクアリウム関連の機材環境や知見の変遷もけっこうな速度で変化しているものね。

あと、欧州発のノウハウってのが、また厄介だよね。
欧州のメーカーが、欧州基準の取説をそのまま日本語化しているやつとか。
水質とかが決定的に違うのにね。
「そりゃーメーカーは大量に使って貰いたいから」って言う人も多いけど、それもあるにせよ、むしろ「欧州での標準的な状況考えたら適切だけど、日本じゃ当てはまらない。」ことをそのまま書いてるって見た方が良いですね。あと、老舗だからこそ、大磯砂が基本の時代につくられた基準で、ソイル環境を考慮してないとか。
つまり、日本法人の力量の問題だと想像できる。
ニッチ市場の小さいメーカーは、ビジネス上売り切り逃げ切りが大事になりがちな面も仕方ないけど(良くは無いけどね)、
大メーカーは、むしろ顧客ロイヤリティの方が重要だから、本来なら「失敗させない」「チョビチョビしか使わなくても、また選んでくれる」「全体として、ブランドへの信頼を損なわない」ことの方が遥かに構造的に重要だから。
もちろん企業文化によっては、担当者にかかるプレッシャーとかで逃げ切り型ビジネスを選択することもあるだろうけどさ。

なんにせよ、そんなこんなを考えながらも、
どうやって、機会があったら周囲を引っ張りこんでやろか?
って、考えてるわけです。

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